
博報堂行動デザイン研究所所長の國田圭作さんが開発したのは、1年の7割以上が休日になっている「世界の祝祭日カレンダー」です。
「今月も世界は休んでいる」
「あなたも休もう、2019」
毎月のこのキャッチコピーが載ったこのカレンダーには、1ヶ月のほとんどが日本と世界の祝祭日で真っ赤になっています。
見れば見るほど休みたくなってくる不思議なカレンダーです。
なぜこんなカレンダーが登場したのか、その背景を見てみましょう。

世界の祝祭日カレンダーのポイント
- 365日の70%が休日表記
- 企業も、個人も休める理由を見つけられるようにカレンダーに「理由(休日)」
- 理由がないと休めない日本の社会を変えたい願いが背景にある
・公式ニュースの引用
1年365日のうち7割以上を赤字で示される“休日”が埋め尽くす「世界の祝祭日カレンダー」なるものが登場し話題だ。
365日の7割に世界の祝祭日が記載されている

世界の祝祭日カレンダーはほとんどが休日になっており、日本の祝祭日の他にも世界の祝祭日が載っています。
例えば、
- 3月1日「韓国の三一節」
- 3月2日「ミャンマーの農民の日」
- 3月4日「インドとスリランカのシバ神誕生祭」
- 3月5日「中・南米各国のカーニバル」
- 3月6日「灰の水曜日」
などなど・・あらゆる国の祝祭日が載っています。
企業も、個人も休める理由を見つけられるようにカレンダーに「理由(休日)」を載せている

世界の祝祭日をカレンダーにすることで、会社も個人も休むための理由を載せています。
理由がないと有給も取りにくい日本の社会を変えたい願いが背景にある

日本の有給取得率は5割と、3年連続で世界最下位です。
有給を取得するには、何かそれらしい理由をそえないと申請しにくいところも多く、なかなか休みにくい国です。
そんな現状を変えるため、世界の祝祭日を載せることで休む理由を、企業も個人も見つけて欲しい狙いがあります。
SNSからユーザーの感想
世界の祝祭日カレンダーの登場に、世間からはどのような反応が出ているのでしょうか?
SNSから主な声をご紹介します。
「かわいい、ほしい笑 」
「”世界の祝祭日カレンダー”のコンセプトが素晴らしい。カレンダーの7割が真っ赤なんだけど、今日も世界のどこかで誰かが休んでいるって、とても優しいメッセージ。人はいつも誰かにささえられてるんだよね。」
「世界の祝祭日カレンダー欲しい それぐらい休みたい…」
「面白いなぁ」
「こういうのほしかった。 たとえば2/19はタイとカンボジアで万仏節という仏教の記念日。 きょうは世界のどこかで祝日なんだ、と思うと好奇心がわいてきます。」
「赤字が多いねえ。日本の異状を際立たせるいい素材。」
「休みだらけの世界の祝祭日カレンダーって最高かよ😍💕 しかも今日休みだし😱これから帰って何しよう・・・」

本来、有給は理由なく取得して良い

有給休暇は、働くものの権利であり、本来であればわざわざ理由を付ける必要はありません。
しかし、「子供の風邪で」「インフルエンザで」「身内の不幸事で」など、それなりの理由がないと休みにくいのが今の日本です。
特に理由もなく休めない人にも不平等が生じてしまいます。
世界の祝祭日カレンダーには、そこをなくしたい意図があります。
日本の有給取得率は50%で3年連続最下位

世界単位で見ると日本の有給取得率は50%。
3年連続で最下位と世界トップレベルの「休まない国」と言えるでしょう。
4月から働き方改革関連法が施行される

2019年4月から「働き方改革関連法」が施工されます。
これは1年で10日以上の年休がある働き手への自主的な5日以上の休暇の取得を促すものです。
これに背くと働き手1人あたり最大で30万円もの罰金が発生するため、企業でも対応に追われているところが多いのです。
まとめ

世界の祝祭日カレンダーは、企業も個人もどんどん休みをとれる国になってほしいという想いが込められたカレンダーです。
いま、日本では各分野での慢性的かつ圧倒的な人材不足に悩んでおり、働き方改革関連法も4月からスタートします。
世界の祝祭日カレンダーを囲みながら、これからどんどん気兼ねなく休みを取れる環境が広がっていくかもしれません。